旅の証、200超の出入国スタンプとパスポート。


とある手続きのため、過去10年の渡航歴を調べなくてはいけなくなった。
昨年、10年満了前に切替発給をしたパスポートは査証欄が足りなくなって増補もしているし、調べる前からすごい数になりそうな予感はしていたんだけど。
とりあえずメールとEチケット、それにパスポートの出入国スタンプを確認して、ざっとエクセルに打ち込んでみると計143の渡航歴。
これは国と国を跨いだ回数なので10年間で訪れた国数というわけではないけど、なかなかの数になった・・・。
「そういえばここに行ったんだっけ・・・」みたいな印象が薄いものもあれば、出入国スタンプを見ただけで思い出がこみあげてきて胸が熱くなるような思い入れの強い旅先もあって。

ベトナム北部のラオカイから徒歩で中国・河口に入った時のスタンプなんかは特に思い入れが強い。
初めての徒歩での国境越えに初めての中国。
何も下調べも準備もせず入国し、言葉が全く通じず(沿岸部大都市ならまだしも南部の少数民族自治区が多いエリア。漢字の読み書きができることにこれまで感謝したことはなかった。)、3キロ先のバスターミナルがどこにあるかわからないし聞くこともできない、中国元もない、そんな状態でも、「初めての国に徒歩での国境越え」という条件のおかげか不安よりもわくわくする気持ちのほうが強かった。
・・・熱い中20キロのバックパックを背負って目的地がどれだけ遠いかわからないままぐったりするまではね。





長かった中国の旅も一番の目的地だったチベット・ラサへ入境し、富士山にも登ったことのない運動音痴の私が、標高と闘いながら(海抜5200メートル地点が最高)エベレストベースキャンプなどを経由して、チベット・ダム(ジャンム)からネパール・コダリへ抜け、カトマンドゥを目指したときのスタンプ。
チベットへの入境許可証や入境規制のことを考えると、このルートを人生で二度使うことはなかなかなさそうだし、やっぱりこれも特別なスタンプだ。









それに、東ティモールの出入国スタンプも念願のティモールだったこともあって私にとってはやっぱり特別。東ティモールについてもいつかちゃんとブログ記事にしないといけないなと思っているんだけど、とりあえず、このスタンプを見る度に、出国直前に人生初の熱中症でぶっ倒れてケガしたなぁなんてことを思い出す・・・。



10年間旅先にいつも持っていったパスポートは開くと古本のような独特の香りがする。
パスポートと一緒にかばんに入れていたペットボトルの蓋が開いていて、一部スタンプがぼやけてしまっているページもあるくらい濡れたこともあったし、洗濯していない服に包んでバックパックに突っ込んでおいたこともあった。
そんな旅先のいろんな臭いがしみついたこのパスポートを開く度にノスタルジックな気持ちになるし、今日みたいにスタンプをひとつひとつ確認する作業なんかしたら、どこかに行きたくて仕方がなくなるのは反射反応のひとつなのかなと思う。

20キロもある重いバックパックを毎日背負って旅をするなんてあの時だからできたことだし、25歳だったあの時にやっておいて本当によかったと思う。
自分の足で行き、自分の目で見て、自分の口で味わって、自分の心で感動したあの1年は、確実に私の人生になかった色を足して、幅を広げてくれた。

そんな旅の証でもあった出入国スタンプの省略が世界中で進んでいる。
スムーズなイミグレは嬉しいけど、真っ白なパスポートはやっぱり寂しい。

これまで旅した国の200を超えるスタンプと思い出が詰まったボロボロのパスポートは私の宝物だ。


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