いけにえを捧げるネパール航空に乗ってみた

飛行機は危険な乗り物なのだろうか。
今年に入り3月にはマレーシア航空機が墜落、今も行方がわからないまま。
その4ヶ月後の7月にはウクライナ上空でマレーシア航空機が撃墜された。
事故だけではなくテロやハイジャックに遭う危険性もあるし。
誰だって航空事故が続く航空会社は避けたいと思うのが普通だろう。

ここネパールのフラッグエア、ネパール航空も危険な航空会社リストに名が挙がってしまう。
国営のフラッグエアなのにヨーロッパ上空の飛行が禁止されている航空会社って信用の無さすごくないか・・・。

そんな多くの人が避けたがるネパール航空利用することになった。



カトマンズが居心地が良すぎて長居しすぎたけれど、そろそろ重い腰を上げなくてはいけない。
とにかく今は東南アジアへ戻りたくて、カトマンズからは飛行機で移動することにした。
5日程前から自力で航空券を探し始めたけれど、エアアジアは片道で4万円とめちゃくちゃ高い。 
自分で手配は半分諦めて、カトマンズ・タメルにあるツアーオフィスに聞いてみたところ、これが正解だった。
 
条件はとりあえず東南アジアに飛びたい。
マレーシアでもシンガポールでもタイでもどこでもいい。
誰に聞いても返ってくる答えは
「バンコク行きが一番安い。」
「ネパール航空が一番安い。」
だった。
 
1件目では、日本円で約4万円と言われ、御礼だけ言い去った。
2件目のエレファントツアーズでは約2万円と半額。
即予約だ。
「ラスト1席だったよ!ラッキーだね!」とリップサービスなのか本当なのかわからないことを言われたけれど、とりあえず手配できてよかった。
 

こんなに高かったのも、11月はネパールがオンシーズンの時期だからだろう。
それでも直前でフラッグキャリアで2万円ならありなんじゃないだろうか。
この時、ネパール航空の事故の詳細は知らなかった。
気にはなったけれど、今は知りたくない。
バンコクに着いたら調べよう。




タメル地区からトリブバン国際空港までの移動手段はタクシーのみ。
30分弱で到着した。
友達は3人でRs.450で空港まで行けたと言っていたから、一人ならRs.300と思って交渉したもののうまくいかず。
Rs.400で折れた代わりに朝ごはん買える場所に寄ってもらうことで決着した。



聞いていた通り小さな空港だ。

建物の入口では警察のセキュリティチェック。
ボーイングパスを持っていないと建物自体に入れないようになっていた。
チェックインカウンターで荷物を預け、2階の出国審査へ行くときにもボーディングパスのチェック。

厳しいのはいいことだけど、ここまでしないと最低限の安全や規律を保てないのだろう。

無事出国審査を済ませ、時間に余裕があったのでしばらく仮眠をとることに。
起きたの搭乗時間。
終わった。寝過ごした。
(最近このパターン多すぎる。これから一人で空港で寝るときはアラームかける。)

出国審査は終わったものの、手荷物検査がまだ残っている・・・
そして手荷物検査は尋常じゃない長蛇の列・・・
一番早そうな列に並んだら、「ここは男性のみだから君はあっち」とめちゃっっっくちゃ長い列を指さされる。
まじ・・・
 とりあえず並ぶものの、離陸まで時間がない。長蛇の女性列に並ぶローカルネパリー女子とアメリカ人のおばちゃんと、男女別で女性一列しかないことにイライラ。
しまいにSOOOOOOO STUPIDと連呼し出すネパリー。 
私のフライトは離陸する時間と言っても
スタッフは「オーケーオーケー。離陸するときにいなかったら放送あるから(°∀°)b  」としか言わない。
考え方やばすぎ。



きっとカトマンズ発は遅延が当たり前なんだろう。
というかこのシステム改善したら遅延なくなるって誰も気付かないのか気にしてないのか。

無事、手荷物検査通過して搭乗ゲートへ向かうもカオス。
全便遅れていてごった返す中、乗客同士で「まだ大丈夫だよね?」と便や時間を確認する。

無事にゲートから出たと思ったら、次は飛行機までバスで移動。



誰も急かさないし、この国には搭乗時間は存在しないんだろう。



機体(の見た目)は思ったよりもぼろくない!



ここまで来てやっと、搭乗できる安心感を味わうことができる。
ネパール航空どうこうの話の前に空港システムが散々だった。



機内も普通だ。
ほぼ満席の高搭乗率。
ネパール人だけではなく外国人も多数搭乗。
そして遂に離陸。
もう後は無事にバンコクへ着いてくれればそれでいい。



上空から見るカトマンズ。
盆地に高さの低い建物が密集してるとこんな景色なのか。



高度をドンドン上げていく機体から見えたのは、ヒマラヤ山脈。
こんなに高いところからでも存在感がすごい。
雲よりも上に山が連なるこの壮大な景色を飛行機から見れると思っていなかった。
カトマンズへのフライトは窓側がおすすめ。
 

遅延以外はいたって普通の航空会社に見えるネパール航空ですが、なかなか癖がある。
グーグルでネパール航空と打てばその後にいけにえという言葉が続く。
航空会社にいけにえ・・・?
調べると「以前、保有するボーイング757の2機の内1機に技術的な不具合が出た際、ヒンドゥー教の空の神をなだめるためにヤギ2匹をいけにえにささげた」ということらしい。
技術向上して欲しいな。

これだけなら笑って終われるんだけど実際この航空会社は今まで墜落、ハイジャックの事故を起こしている。
もちろん地形や気流も関係してくるから運転も難しいというのは一つの理由だろう。
ネパール国内ではほぼ毎年のように事故が起きており、過去に日本人も巻き込まれているのだ。

いけにえも大事だが、人材育成、機体や空港の整備も必要だ。
といっても、ネパールは貧しい国だから、簡単にはいかないだろうし、先進国からの支援も必要だろう。





機内食は最後のネパリーカレー。
辛いけどうまい。

無事3時間強のフライトを終え、なんだかんだ1時間のみの遅れでバンコク・スワンナプーム国際空港に着陸。
ここから先はエアアジアなので、スワンナプーム⇔ドンムアン間を走っている無料バスで夜中に移動し、この日はドンムアンで空港泊。

よく眠れた。




日本に1週間勉強に来ているインドネシアの大学生たちと機内で仲良くなって、最後まで楽しかった。

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